肝斑(かんぱん)とは
肝斑とは、30~40代の女性に多くみられる、顔の左右対称にできる「もや」のような薄いシミです。
上の肝斑の画像でゴルゴラインあたりにうっすら茶色(濃い黄色?)のもやもやがかかっているのは、肝斑と診断されました。
頬骨の高い位置に、左右にうっすらと広がるように出来ることが多いようですが、必ずしも頬骨のあたりとは限りません。
ソバカス(雀斑)など他のシミと重なってできている場合も多いようです。
第一三共ヘルスケアの肝斑専門サイトに、あなたのシミが肝斑なのかどうか、自分でチェックする方法が掲載されていますので、気になる方はチェックしてみると良いと思います。
とはいえ、残念ながらそのシミが本当に肝斑なのか、それとも太田母斑や紫外線による通常のシミなのかは、プロの皮膚科医でも診断に迷うほど診断が難しいと言われています。一番確実なのは、納得がいくまで何件でもハシゴする覚悟で、皮膚科で診察してもらうことだと思います。私は肝斑のために7件の美容皮膚科を受診しました。
肝斑とシミの違い
肝斑もシミの一種です。
でも、通常のシミが光治療やレーザー治療で薄くなるのに対して、肝斑は逆に光治療やレーザー治療で悪化する(濃くなる)ことが知られています。(但し最近は、一部、肝斑を悪化させずに当てることが可能なほど、出力を弱く調整することができるレーザーも出てきています。)
また肝斑は、発生原因も独特です。通常のシミのように、単なる紫外線によるものや加齢による原因だけではないようです。
肝斑ができる原因
肝斑ができる原因についても、日光でできるシミとは異なり、以下のような原因があると考えられています。
・ホルモンバランスの乱れ
・皮膚の摩擦による刺激
・頬のほてり(血流異常)による炎症
・紫外線による刺激
・妊娠やピルの服用によって発症することもある
肝斑は、摩擦や日光だけでなく、日常のありとあらゆる刺激によって悪化する可能性があります。
とにかく触らない、激しい温度差を避ける、などの日常の気遣いが、肝斑悪化を防ぎます。
肝斑に効く薬 飲み薬と、塗り薬
肝斑治療には、トラネキサム酸(トランサミン)の内服が第一です。
私は肝斑治療のために、美容皮膚科のカウンセリングを7件回りました。聞いた治療方針は各クリニックごと様々でしたが、どこのクリニックも口を揃えておっしゃっていたのが「肝斑治療は、トラネキサム酸の内服が第一」ということでした。
ある美容皮膚科では「肝斑治療は、内服8割、外用2割」とおっしゃっていました。「内服」とはトラネキサム酸等の飲み薬のことを指し、「外用」とは、シミを取るためのトレチノイン・ハイドロキノン療法などの塗り薬のことを指しています。
トラネキサム酸の飲み方
日本のドラッグストアで販売されている「トランシーノ」などのトラネキサム酸の錠剤は、1日分でトラネキサム酸を720mg~750mg接種するようになっているものが多いようです。
私が話を聞いて回った美容皮膚科クリニックでは、口を揃えて、トラネキサム酸の摂取量は「1日1500mg」とおっしゃっていました。
1日1500mgのトラネキサム酸を継続的に3か月以上接種すると、約87%の患者の肝斑が改善したという医学的エビデンス(証拠)があるそうです。
また、市販薬で「3か月以上長期服用しないように」と注意書きのあるものもあるようでしたが、それについてもお医者様の立場からは「医学的根拠なし」とのことで、すべてのお医者様が長期服用するようにとのことでした。
このように諸説あると、素人はどちらを信じてよいのか分からなくなってしまいます。
お医者様は私の状態を診て、「この状態であればこう」という説明をされたのかもしれないので、やはりクリニックに診察に行って、患部を見てもらうのが近道だと思います。
尚、私は結局、自分の足で回った美容皮膚科はどこも通わず、以下のものを自分で購入して飲んでいます。
どちらも1錠500mgで、1日3回飲んでいます(その時に在庫のある方を買っています)。
トラネミック(Tranemic)500mg(オオサカ堂)
トランサミン500mg(Transamin)(オオサカ堂)
トレチノイン・ハイドロキノン療法(塗り薬)
トレチノイン・ハイドロキノン療法で、私が最終的に気にいって使っているのはエーレットジェルです。
エーレットジェル(AretGel)0.025% (オオサカ堂)←肌への浸透がよく使いやすいです。
エーレットジェル(AretGel)0.05%(オオサカ堂)←肌への浸透がよく使いやすいです。
エーレットジェル(AretGel)0.1% (オオサカ堂)←塗るとポロポロとカスが出るのがうざったいですが、よく効きます。
たまに炎症止めのための副腎皮質ホルモン剤が配合されているトレチノインクリームがありますが、副腎皮質ホルモン剤はトレチノインの効果を阻害するので、意味ないのでやめたほうが良いと思います。
炎症がひどくならないように、少しずつ肌を慣らしながら濃度を上げて、最終的に0.1%くらいまで濃度を上げられるようになると、とても効果が出ます。
毎晩、洗顔 ⇒ 高濃度ビタミンC化粧水 ⇒トレチノイン を塗って、30分ほど置いて乾かしたあと、最後にハイドロキノンクリームを塗ります。私が塗っているハイドロキノンクリームは、以下の物です。
ユークロマクリーム4%(ハイドロキノン)(オオサカ堂)
トレチノインはお薬(医薬品)です。使い方の指導は、医師に受けましょう。
トレチノインはレチノールの500倍強いビタミンA誘導体です。これを用いると、通称「A反応」と呼ばれる皮膚の炎症が起こり、乾燥し、皮がむけて、新しい赤ちゃんの皮膚が出てきます。つまり激しくターンオーバーします。そのため、シミも早く排出されます。肌のきめも整い、真皮にむっちりと厚みが出て、毛穴もきゅっと引き締まり、肌質が改善されます。
それだけ激しいターンオーバーが起きますので、肌細胞が疲労しすぎないように、塗った期間の倍の休薬期間を設けましょう。
またトレチノイン療法中は、絶対に日に焼けないように、紫外線対策を万全にしましょう。
肝斑へのレーザー治療について
一昔前までは、肝斑にレーザーは禁忌でした。
レーザー治療はメラニン色素を破壊し、破壊されたメラニンは代謝によって体外へ排出されるので、通常のシミなら消すことができます。しかし肝斑に当てると逆に悪化するため、レーザーや光治療は肝斑にはご法度だったのです。
しかし最近は、肝斑に当てることもできるほど「弱い出力」に調整可能なレーザーが登場しています。
出力が弱いとメラニンを破壊する威力も弱いので、かなりの回数レーザー治療に通わなければなりませんが、それでも少しずつメラニンの破壊をすすめることが可能です。
しかし、いくら出力が低いとはいっても、全くのゼロ刺激ではありませんので、当然、肝斑悪化のリスクはあります。
メラニンを排出したい気持ちはあっても、レーザーはそもそも「肝斑に良いもの」ではないのです。むしろ逆です。
美容皮膚科では「一般的にこの程度の出力なら大丈夫」という低出力で当ててくれるはずですが、それでもやはり人により、悪化するケースはあるようです。
また肝斑悪化の逆で、レーザーによって皮膚の色素が抜けたために樹状白斑が出来たというケースも多く見られるようです。
美容は自由診療です。レーザー治療のリスクを十分理解したうえで、それでも早く綺麗になりたいと、レーザー治療を併用してメラニン排出を急ぐのもひとつの選択肢かと思います。
クリニックへ通わずに肝斑を薄くした私がやったこと
私は2019年10月に肝斑と闘う決意を決めてから、赤ら顔治療以外はクリニックへ通うことなく、全て自宅で肝斑を治してきました。そして、この記事を書いている現在、かなり肝斑は薄くなり、肌質も格段に改善されました。
私が肝斑のために使っているもの一覧を、こちらのページにまとめましたので、宜しければ参考にしてください。
また、現在もリアルタイムで肝斑と戦っている私の、激闘の記録(肝斑との戦い)はこちらにまとめてあります。
美肌は作れる!頑張りましょう^^